大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)
●大腿骨壊死症とは、
大腿骨頭(犬の股関節を形成している太ももの骨の上端にある骨盤との連結部)への血流が阻害されることで非炎症性無菌性に壊死がおこり、骨の変形・崩壊を起こしてしまう病気です。
遺伝的要因が疑われていますが、原因はまだはっきりとは解明されていない病気です。
発症は主に3〜13ヶ月齢の小型犬(10kg以下)、特に生後6〜7ヶ月で多いです。
症例のほとんどは片側性ですが、10〜20%は両側性に発生することもあります。
●症状
○徐々に後肢の跛行が進行し、完全な跛行が見られるようになる。
○後肢を気にする、舐める、噛むことがある。
○座る時間が増える。
○足を上げて3本足で歩く、ウサギのように跳ねて歩く。
○筋肉の萎縮(触ると左右で筋肉の付き方に差が出でいる)
○腰回りを触ると痛がる、怒る。
※跛行とは、外傷や奇形により正常な歩行ができない状態を言います。
診断
身体検査・跛行検査・レントゲン検査
●左後肢に発症した1歳4ヶ月のトイプードルの症例(体重2.3kg)
右と比べて左後脚の跛行によって脚を使うことできないために筋肉の付きが明らかに減ってしまっています。
●治療
進行性の病気のために外科手術が必要となることがほとんどですが、症状が軽度であれば内服薬による疼痛コントロールをすることもございます。
術式 大腿骨頭(骨頸)切除術・人工関節全置換術(THR)
大腿骨頭壊死症は症状が進行していき、最終的に壊死した骨が軽い衝撃で骨折してしまう痛みも伴う病気です。
上記のような症状があればお気軽にご相談ください。
当院はグループ病院であり、当院を窓口に整形外科専門の獣医師への診察、術後はリハビリ科による水中トレッドミル、遠赤外線治療の受診も可能です。