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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

眼が赤い
飼っているわんちゃん猫ちゃんの眼がいつもより赤い気がする。大丈夫かしらと思ったことはありませんか?今回は眼の赤みについて解説したいと思います。眼の赤みにも様々な種類があります。

充血
  充血とは、外界からの刺激や炎症により、主に結膜(眼の白い部分)に分布する小血管や毛細血管への血液流入量が増加することで起こります。充血には種類があり、どこに充血が生じるかによって、充血の原因をある程度推測することができます。

 充血の種類
 結膜充血:白目の部分が網目状に充血します。鮮紅色で、血管の走行が明瞭です。
  考えられる原因:結膜炎、軽度の角膜障害など
 毛様充血:結膜充血より深層で紫赤色、個々の血管が不明瞭で、黒目の周囲が全体的に赤くなることが特徴です。
  考えられる疾患:重度の角膜障害、ぶどう膜炎など

角膜の血管新生
 角膜とは本来血管の分布しない透明な組織ですが、そこに血管が現れることで眼が赤く見えます。血管新生は表層性と深層性に分けられます。
 表層性血管新生:角膜の表面部分に血管が現れます。さまざまな疾患による角膜上皮障害によって起こります。
  考えられる疾患:乾性角結膜炎、角膜に対する慢性刺激、軽度の強膜炎など
 深層性血管新生:角膜の深部に血管が現れます。炎症に起因する角膜混濁や長期の角膜実質の浮腫によって起こります。
  考えられる疾患:角膜潰瘍、ぶどう膜炎、緑内障、重度の強膜炎など

眼内出血
 眼内出血とは、眼球内で出血が起こっている状態です。眼内出血は先天性疾患によるものと、後天的な原因に続発して起こる場合があります。
 考えられる疾患:
  先天性:コリー眼異常(コリー種に見られる遺伝性疾患で強膜の発生異常)
  後天性:角膜穿孔、重度のぶどう膜炎、角膜疾患、緑内障、白内障、水晶体脱臼など

通常は眼が赤いということだけでなく、その他の症状や眼科検査結果などを考慮し、総合的に診断します。眼が赤いだけでは病院に連れてくることを躊躇してしまうかもしれませんが、中には重要な疾患が隠れていることもあります。気になることがあればお気軽にご相談下さい。

執筆担当
獣医師
松村

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