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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

猫の下部尿路疾患『特発性膀胱炎』
猫の下部尿路徴候を起こす1つの原因として、特発性膀胱炎があげられます。
犬の膀胱炎は、膀胱に細菌が感染して起こる『細菌性膀胱炎』が多いのですが、猫の膀胱炎は無菌性で原因が不明である、『特発性膀胱炎』がほとんどです。
特発性膀胱炎は猫の下部尿路徴候の原因において最も多いと考えられてます。
膀胱から尿道までを下部尿路といいます。  
この膀胱から尿道までの下部尿路に異常がある時、頻尿や血尿、排尿痛(おしっこをする時に鳴いたり、踏ん張っているような行動)、トイレ以外での排尿などが見られることがあり、これらは下部尿路徴候といわれています。
特発性膀胱炎のリスクを上げるものには、生活環境なども関わり、下記のようなものがあります。
・多頭飼育である
・飲水量(水分摂取量)が少ない
・ドライフードのみを与えている
・肥満傾向である
・神経質な性格である


<診断>
問診・身体検査による膀胱の触診をはじめ、尿検査、腹部レントゲン検査、超音波検査、神経学的検査を行い、膀胱・尿道結石や腫瘍、感染など他の病気がないかなどの確認をしながら診断を進めていきます。

<治療>
治療をしなくても数日〜数週間で症状が改善していくこともありますが、おしっこをする度に痛みを感じ、元気もなくなってしまうことが多いので適切な治療が必要になってきます。
具体的には、環境改善・食事療法によって改善が見られない場合、痛みが強い場合にはストレス軽減のサプリメント・鎮痛療法・抗うつ薬の処方も合わせて行っていきます。
環境の改善に関してはすぐにできることもあるので、是非実施してみてあげてください。
特発性膀胱炎の治療には生活環境の改善も関わってくるため、猫ちゃんのご家族みなさんの協力が大切です。
また、どんな治療をしても完治するわけではなく、環境を変えてすぐに治ることも少ないですが一つ一つの生活環境、食事の改善が再発防止につながります。
おうちの猫ちゃんが違う場所でおしっこをしている・頻回にトイレに行く・血が混ざっているような尿をしているなどの症状が見られたら早めの受診をお勧めします。
些細なことでもお気軽にご相談ください。



執筆担当
獣医師 小針

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