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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬のアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは遺伝的な要因を背景にもつ慢性掻痒性の皮膚の病気です。
主に3 歳齢以下で初めて発症するとされており、下記に示します診断項目に5項目以上当てはまる場合は 85%がアトピー性皮膚炎であることが疑われます。
症状としては、痒みとともに紅斑(赤み)や丘疹(小さなブツブツ)、患部を舐める等がみられます。症状の出やすい部位として顔面・耳介の内部・下腹部・腋窩部・尾根部・足先の 屈曲部にみられます。
原因
皮膚炎を起こす原因(アレルゲン)として、ハウスダスト(毛髪・花粉・タバコの煙・ 皮膚片・繊維クズなど)、ダニ・ノミ、食べ物があげられます。これら原因となるものと接触することで体の免疫細胞が異常に反応してしまい痒みや炎症が引き起こされます。初期は季節性がみられますが加齢とともに通年性となることが多いです。
遺伝的要因
日本では柴犬・フレンチブルドッグ・ウェストハイランドホワイトテリア シーズー・ブルドック・レトリバー種などが知られています。
治療
アトピー性皮膚炎は根治が望めない病気であるため、治療は皮膚の痒み、皮膚炎を予防・管理することが大事です。
・原因(アレルゲン)を避ける
接触を回避することが原則ですが、その症例ごとに様々なアレルゲンの関与が考えられ、特にハウスダストは完全な除去、接触を回避することは困難であるため痒みの治療についてはお薬による治療と並行して日常生活で無理のない範囲で実施することをお勧めしています。
・悪化要因の除去
アトピー性皮膚炎に罹っている仔の皮膚はバリア機能が低下していることで細菌や真菌(カビ)による二次感染がおこることがあります。 薬用シャンプーやシャワー、濡らしたタオルによる静拭、スキンケアや低アレルギー用のフードへの変更を行うことで皮膚のコンディションを改善し、皮膚症状の悪化を予防することができます。
・皮膚炎に対する治療
まずはアトピー性の痒みを抑えるお薬を処方して痒みが改善されるかをみます。最初から皮膚症状がでている場合は皮膚の炎症と過剰な免疫反応を抑えるお薬も併せて処方するなどその仔の症状にあわせて行っていきます。
治療中は患部をひっかいたり、舐めてしまうと皮膚炎が悪化してしまうためエリザベスカラーの着用も必要となることがあります。

お薬の処方やスキンケアを行うことで症状が改善するケースは少なくありません。 些細なことでも当院にお気軽にご相談ください。

執筆担当:綱嶋

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