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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

猫のガマ種
【概要】
ガマ種とは舌の下に唾液が袋状に腫れて貯留して唾液瘤を形成する事を言います。ガマ種は年齢や性別、品種に関わらず発生します。原因としては唾液を出す器官である唾液腺(耳下腺、下顎腺、舌下腺)の損傷や唾石と呼ばれる微細な石などが原因で起こることもありますが、多くが原因不明であることが多いです。

【症例】
年齢:7ヶ月齢
性別:去勢雄
品種:mix
口腔内の嚢胞を本人が気にしてしまう、という主訴で来院されました。
口腔内を確認すると舌下に唾液瘤を確認し、穿刺にて内容物を吸引しました。
内容物はごく少量の炎症細胞を含む唾液であり、感染や腫瘍細胞は認めませんでした。
上記より『ガマ種』と診断しました。その数日後に舌下に再び唾液瘤が再発したということでその日は穿刺吸引を再度行い、同時にCT画像検査と唾液腺摘出による根治目的の外科的治療をご相談させていただきました。
※緑矢印は唾液瘤です
【CT画像検査】 CT画像検査では唾石がないことが確認されました。また今回の唾液瘤の原因として下顎腺と舌下腺が疑わしいという結論に至りました。
※CT画像検査写真です
【治療】
CT画像検査の結果を踏まえて口腔内の唾液瘤とそれに続く唾液腺の摘出を行いました。
口腔内で袋状の唾液瘤を摘出、その後顎下も切開して原因となる唾液腺を摘出しました。今回は顎側から唾液腺を引くことで口腔内の唾液瘤が顎側に引っ張られる事を確認して、唾液瘤とそれに続く唾液腺(結果的に下顎腺と舌下腺)を一連のものとして綺麗に摘出できました。

【経過】
術後数日は舌の術部が腫れて食事が食べにくそうだったので、鼻の穴からチューブを食道に入れて給餌を行いましたが徐々に腫れが引き、術後10日ほどでほぼ腫れが引きご飯も以前のように食べることができるようになりました。
ガマ種も再発することなく順調に回復してくれています。
※下顎腺と舌下腺から続く唾液瘤を摘出。摘出時に組織の障害を防止する目的で腺を切断
※術後1日目はまだ舌下が腫れてご飯が上手に食べれませんでした
※術後10日で唾液瘤の再発もなくほぼ腫れも引きました
港区近辺で外科手術やC T撮影でお困りの方はお気軽にご連絡ください。
執筆担当
獣医師 西田

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