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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬の甲状腺機能低下症
⚫︎概要
甲状腺機能低下症は、先天性や腫瘍、外傷が原因の場合もありますが、ほとんどが甲状腺が自分の抗体によって破壊されることで起こると考えられています。
甲状腺から出るホルモンは全身の代謝を活性化する作用を持っています。甲状腺が破壊されると甲状腺ホルモンが分泌されなくなり、さまざまな症状があらわれます。
猫ちゃんには少なく、わんちゃんに多い病気です。
⚫︎症状
なんとなく元気がなさそう・寝てばかりいる・毛が抜けてきた・食べる量は変わらないけど体重が増える等で老齢だから…と見逃されることも多いです。
典型的なものとしては、体の両側性の脱毛・尻尾がネズミの様な見た目になるラットテール・悲しそうな顔に見える悲劇的顔貌等があります。 その他にも、細菌感染による皮膚病が治りにくくなったり、徐脈、神経症状が出ること、稀に低体温や昏睡を引き起こす可能性があります。
⚫︎診断
甲状腺機能低下症以外の病気がないか、一般的な血液検査・レントゲン検査・超音波検査等を行った上で甲状腺ホルモンの濃度を測定します。

⚫︎治療
不足している甲状腺ホルモンを薬によって補います。 破壊されてしまった甲状腺は元に戻せないため、生涯にわたる投薬治療が必要になります。
“なんとなく元気がない”等の活動性の低下は投薬開始1週間程度で改善することがありますが、皮膚や神経症状の改善は数ヶ月かかることがあります。
投薬開始後も正しい量が投薬できているか定期検診が必要です。

甲状腺機能低下症は適切に診断され、治療が行われれば予後は良好です。
元気がない気がする…などの症状が当てはまれば、ご相談ください。


執筆担当
獣医師 小針

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