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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬の糖尿病
⚫︎糖尿病とは?
糖尿病には、膵臓のβ細胞から出る『インスリン』というホルモンが関係しています。
インスリンは血液中の糖(血糖)を一定の範囲に収める働きをしています。
糖尿病とは、この『インスリン』が不足している、またはうまく働かないことで血糖値が高くなっている状態のことです。

また、糖尿病は大きくI型とII型の2つに分類されます。
違いは以下の通りですが、〈猫の糖尿病〉と異なり、犬はI型が多いと言われています。
⚫︎症状
高血糖で尿に糖が漏れ出すことにより尿量が増え、それに伴いお水を飲む量が増えます。また、初期には食欲が増しているのに体重減少が起きます。
進行すると元気や食欲が低下し、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こします。
高血糖が持続すると体にケトン体という物質がたまり、血液が酸性に傾いてしまうケトアシドーシスと呼ばれる状態になり昏睡状態に陥ってしまうことや合併症で白内障になってしまうことがあります。

⚫︎診断
臨床症状、血液検査、尿検査などをみて総合的に判断をします。
血糖値は今現在の血糖値、2週間長期血糖値コントロールマーカー(糖化アルブミンなど)を確認します。
未避妊の子やクッシング症候群がある子は糖尿病になりやすいので注意が必要です。

⚫︎治療
インスリンの投与による治療を行なっていきます。基本的には生涯の治療が必要になります。
当院にかかっている子の多くは1日2回の皮下注射で血糖値のコントロールをしています。
また、糖尿病の子用のご飯(血糖値が急激にあがらないように配合されたご飯)を食べている子も多いです。
治療を行う上で、気をつけなくてはならないのは過剰なインスリン投与による低血糖やインスリンの打ち忘れや失敗、インスリン抵抗性があがってしまうことにより高血糖状態が続いてしまうことです。
そのため、定期的な検診が必須になります。 しっかりとコントロールができていれば予後は良好です。

最近お水を飲む量が増えた、体重が減ってきた、など気になることがありましたらお気軽にご相談ください。


執筆担当
獣医師 小針

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