Menu
instagram Facebook

最新5件

※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬と猫の慢性腎臓病
 腎臓は左右一対の臓器として腹部に存在し、尿を生成することで血液から老廃物を除去し、水分やミネラルの調整を行いバランスを正常に保つ働きがあります。腎臓病にかかるとそれらの機能がうまく働かなくなり、尿毒症という全身症状を呈して命を脅かす結果を招きます(腎不全)。
 猫が腎臓病にかかりやすいことはよく知られているところです。犬にも高齢期には特に腎臓病がしばしばみられます。慢性腎臓病は原因にもよりますが、初期のものが中期、後期へと進行し腎機能が徐々に低下していきます。
 ヒトで腎移植が行われることからも分かるように、腎臓は片方(残り50%)が十分に働けば生命維持が可能なほど予備能力が大きく、その残りの更に半分の機能が失われて(残り25%)初めて重篤な症状が出始めます。腎臓病を少しでも早期に発見することは、原因に対処する時間や重篤化するまでの時間を稼ぐことができるという点において非常に価値があります。

症状
・多飲多尿(水を多く飲み、薄いおしっこがたくさん出る)
・食欲不振、体重減少
・脱水、元気消失
・口臭や歯周炎、口腔の潰瘍
・嘔吐、下痢

診断と治療

 慢性腎臓病の診断は一つの数値が高いというような証拠を見つけるのではなく、複数の血液検査の項目や尿検査、画像診断、血圧測定などの結果を総合的かつ定期的に繰り返し評価していきます。慢性腎臓病であると診断された場合には、検査で得られた情報をもとに、現在の病期をIRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)の推奨するステージに分類することで治療方針を決定していきます。
 各ステージにおいて蛋白尿の治療や高血圧の治療、貧血の治療、療法食、血中のリンやカリウムなどのコントロール、吐きや下痢、脱水などへの対症治療などを行います。病気の進行や変化を見逃さないように観察、評価し個々の症状に合わせた治療を行っていきます。

 慢性腎臓病は完治する病気ではありませんが、適切な治療やケアによって比較的長期にわたって良好な管理が見込めることが多く、そのためにも定期的なチェックを欠かさないようにし早期発見に努めることがとても重要です。

動物医療センター赤坂
獣医師 喜多見
東京都港区赤坂7-4-12
TEL:03-5545-5119
ネット予約はこちら>> https://pet.apokul.jp/web/165/reservations/add

症例報告一覧