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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

猫の腹腔鏡下での膀胱結石(シュウ酸カルシウム)摘出術
膀胱結石は〈下部尿路疾患〉のうちの一つです。
今回は 『シュウ酸カルシウム』という結石ができてしまった猫ちゃんの一例を紹介致します。
猫の結石はストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の2種類が全結石の9割を占めており、発生率はストラバイト結石:シュウ酸カルシウム結石=1:2です。

ストラバイト結石は内科療法で溶かすことが可能ですが、シュウ酸カルシウムは現時点で溶解する治療はありません。
そのため、尿道を通れない大きな結石がある場合は膀胱切開による外科的な摘出が第一選択となります。

〈症例〉
今回、尿漏れ、頻尿、血尿を繰り返している15歳の猫ちゃんの⒈3cm大の膀胱結石を腹腔鏡下にて摘出しました。
こちらが、手術前のレントゲン検査と超音波検査の結果です。
一般的な開腹手術による膀胱切開では大きくお腹を開ける必要がありますが腹腔鏡を用いた膀胱切開では1.5〜2cmの小さな傷を2箇所開け、カメラを見ながら摘出していきます。
こちらが手術の様子で、丁度結石を取り出そうとしているところです。
この猫ちゃんは手術の次の日に退院し、1週間後の抜糸の頃には血尿・頻尿は改善傾向で良好な経過をたどっております。
シュウ酸カルシウム結石は除去して治療が終わりというわけではありません。
結石形成の再発を防ぐために食事の管理や水分摂取の管理などが必要となってきます。
自宅での猫ちゃんの排尿頻度や色がいつもと違う、頻回に陰部を舐めているなど、飼い主様の日頃の観察で早期発見につながることもあります。
高齢の子でも手術が可能である場合もありますので、まずはご相談ください。


執筆担当
獣医師 小針

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