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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬のジアルジア症
【病因】
ジアルジア(Giardia)は主に仔犬、特に多頭飼育の環境下で感染・寄生している確率が高くなります。この寄生虫は糞便とともに排泄され、飲み水・食物などとともに経口摂取によって感染します。感染後は体内で分裂を繰り返し増殖し、腸管内を移動して小腸の粘膜に吸着して寄生します。ペットショップや繁殖施設での蔓延が感染源になりやすいです。

【症状】
腸粘膜が刺激され、消化吸収が阻害されることで一過性の軟便・下痢・粘液便などが現れます。多くは重症化せず回復します。

【診断】
病院内での新鮮糞便検査にて顕微鏡下で虫体を検出し、診断します。一度の検査では発見できないこともあるため、必要に応じて2~3回の糞便検査や外注検査(PCR法を用いたジアルジア遺伝子検出)を行うことがあります。

【治療】
抗原虫薬であるメトロニダゾールなどを用いて治療を行います。

【人への影響】
犬に寄生するジアルジアは人に寄生するものと同一ですが、遺伝子型が犬に寄生するものと人に寄生するものとで異なるため、犬から人への感染の可能性は低いといわれています。ただし、人に感染する遺伝子型のジアルジアが犬からも検出されることがあるため、免疫が低下している状態では注意する必要があります。

ジアルジア症以外でも下痢を呈した仔犬から他の寄生虫が検出されることは珍しくないため、下痢を起こした仔犬がいらっしゃる場合はお気軽にご相談ください。
執筆担当
獣医師 角田
〈新鮮糞便検査の顕微鏡写真〉 ※赤丸がジアルジアの虫体です。

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