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※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬の多中心型リンパ腫
多中心型リンパ腫
リンパ腫は、リンパ球という免疫細胞が腫瘍化する病気です。
犬のリンパ腫の中でも最も多いタイプが多中心型リンパ腫で、身体中のリンパ節が腫れてくる病気です。

レトリーバーやセントバーナード、ボクサー、バセットハウンドなどが好発犬種とされています。
中高齢での発症が多いですが、その他の犬種や若齢での発症も認められます。

【症状】
多中心型リンパ腫の症状の一つにリンパ節の腫大がありますが、初期にはリンパ節の腫れだけでほかに症状がないこともあります。
元気食欲に大きな変化がなく、飼い主様が首のしこりに気づいて来院されることも少なくありません。
全身の組織で発生する可能性がありますが、体表リンパ節が最もわかりやすく、発見のきっかけになることが多いです。
病気が進行すると以下の症状が見られます。

・首や脇の下、膝裏のしこり
・元気消失
・食欲不振
・体重減少
・発熱
・目の充血など

症状が進行すると、呼吸状態の悪化や全身状態の低下が見られることもあります。
異変を感じたら早めの受診をオススメします。

【診断】
まず身体検査にてリンパ節の腫大を確認します。
その後以下の検査を行い、リンパ腫かどうか判断します。
・細胞診(針で細胞を採取して検査)
・血液検査
・レントゲン検査
・超音波検査

リンパ腫では細胞診によって診断が確定することが多くあります。
正常なリンパ節では見られない大型のリンパ球が、リンパ球全体の50%を超えるとリンパ腫と診断します。
リンパ球の種類により抗がん剤の効き方が異なるため、クローナリティ検査(遺伝子検査)によってリンパ球の種類も調べます。
診断後、病気がどこまで広がっているかを評価し(ステージ分類)治療方針を決定します。

【治療】
犬の多中心型リンパ腫では、抗がん剤治療(化学療法)が第一選択となります。
抗がん剤と聞くと副作用を心配される方も多いですが、犬では生活の質(QOL)を保ちながら、できるだけ普段通りの生活を送ることを目標に治療を行います。そのため、一頭一頭の体調に合わせて、薬の量や種類を調整しながら治療します。
最も一般的な治療は、CHOPプロトコールです。
複数の抗がん剤を組み合わせる治療法で、薬への耐性を可能な限り抑制し長期的なコントロールが期待できます。
そのほか、年齢や体調、ご家族のご希望に応じて、負担の少ない治療や緩和治療を選択することもあります。

犬のリンパ腫は抗がん剤への反応が良いことが多く、多くの症例でリンパ節の縮小や症状改善が期待できます。
ご家族と相談しながら、その子にとって最適な治療法を一緒に考えていきます。


適切な治療によって生活の質を維持しながら長期間過ごせる可能性があります。
早期に発見し早期に治療を開始するためにも、体にしこりなどを発見した際は受診をお勧めします。
そのほか体調不良など、様子がいつもと違うなと感じましたらお気軽にご相談ください。

獣医師 人見なな

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